迎え火の夜
昭和30年生まれの田舎育ち
母親のそばにいて知らず知らずのうちに学んだもの
子供心に私なりにおぼろ気に
お盆がどういうものか理解していた
ご先祖様が間違えずに帰って来れるよう
軒下のろうそくを灯した提灯はその目印
トンボや蝶々やバッタや雨蛙や ご先祖様は
生き物の背に乗って帰って来るから殺生はいけない
水の神様が足を引っ張るから
池や川に近づいてはいけない
正しい知識かどうか今となってはところどころ怪しいけれど
お盆はそんな特別な日と 少しの恐れと共に信じ込んでいた
実は 海釣りに誘われたけれどお断りした
孫が帰って来るからってのが理由のすべてだったけど
水の近くや殺生にためらいがあったのも確か
なすびときゅうりに割りばしを刺して牛と馬を作った
ご先祖様が仏壇に上がれるようおがらではしごを作った
ご先祖様を想像しながら2本の指で上るふりをして遊んだり
ご先祖様のくせになんで梯子が要るのか不思議だったり
母親のそばで手伝いながら邪魔をしながらこっそり
お供え物の果物を狙っていた 母親の隙を窺いながら
ひとつまたひとつとブドウの粒を盗み食い
仕上げは裏返して証拠隠滅 お盆が過ぎてお下がりの時
気が付いた母親が仏壇の前でお腹を抱えて笑ってた
神さんごめんと念じたらバチは当たらない
それもまた母親から教えられたものだった
テレビでは帰省や水の事故のニュース 子どもの頃の
お盆の時のちょっと賑やかなお仏壇を思い出す
ずーっと忘れていたそんな記憶が次から次によみがえる
母親がこの家にいた5年前の夏
我が家でもお盆の準備 お仏壇の祀りごと
おがらと糸を用意して梯子作りを頼んだら
易いこっちゃ おばーちゃんじょうずやでと作り始めて
もちろん昔とった杵柄なんて持ち出すまでもなく
子どもでもできる簡単な工作 ところが
できない いつまで経っても完成どころか一段目も作れない
ついに あかんでけへん と投げ出した
良かれと思ったことが裏目に出た
当たり前にできてたことができなくなる・・・
可笑しくてやっぱり悲しくて そうか
これが老いるということか これも
認知の症状のひとつかと納得もした
さて お盆だものお墓参り
それぞれに仕事の都合 長男一家が帰っていって
そこへタイミング良く次男夫婦 さらには絶好の
小雨模様 妻の実家と我が家とお墓参りツアー敢行
親から子へ そしてその子どもらへ
伝えたいもの教えたいもの継いで欲しいもの
かつて 私の親がそうだったように
妻の実家の両親がそうであるように
はたして
私たちは
親に恥じない親になれているのか
正しくじじばばになれているのか
お手本に真似ながら 時にふたりで拓きながら
どうにかこうにかなんとかここまで
親父に御父さんにご先祖様にどうなのか
恥ずかしくないかまさか恥じてはいないか
お線香をあげて手を合わせて
心密か ドキドキと自問する夏です
と まあ なんやかんやのうちに豆台風一過



孫から元気をもらうだなんてそれはまだ
こちらが少しは若く余力があった頃のこと 今はもう
吸い取るだけ吸い取られて
あちこち足腰クタクタ・・・

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母親のそばにいて知らず知らずのうちに学んだもの
子供心に私なりにおぼろ気に
お盆がどういうものか理解していた
ご先祖様が間違えずに帰って来れるよう
軒下のろうそくを灯した提灯はその目印
トンボや蝶々やバッタや雨蛙や ご先祖様は
生き物の背に乗って帰って来るから殺生はいけない
水の神様が足を引っ張るから
池や川に近づいてはいけない
正しい知識かどうか今となってはところどころ怪しいけれど
お盆はそんな特別な日と 少しの恐れと共に信じ込んでいた
実は 海釣りに誘われたけれどお断りした
孫が帰って来るからってのが理由のすべてだったけど
水の近くや殺生にためらいがあったのも確か
なすびときゅうりに割りばしを刺して牛と馬を作った
ご先祖様が仏壇に上がれるようおがらではしごを作った
ご先祖様を想像しながら2本の指で上るふりをして遊んだり
ご先祖様のくせになんで梯子が要るのか不思議だったり
母親のそばで手伝いながら邪魔をしながらこっそり
お供え物の果物を狙っていた 母親の隙を窺いながら
ひとつまたひとつとブドウの粒を盗み食い
仕上げは裏返して証拠隠滅 お盆が過ぎてお下がりの時
気が付いた母親が仏壇の前でお腹を抱えて笑ってた
神さんごめんと念じたらバチは当たらない
それもまた母親から教えられたものだった
テレビでは帰省や水の事故のニュース 子どもの頃の
お盆の時のちょっと賑やかなお仏壇を思い出す
ずーっと忘れていたそんな記憶が次から次によみがえる
母親がこの家にいた5年前の夏
我が家でもお盆の準備 お仏壇の祀りごと
おがらと糸を用意して梯子作りを頼んだら
易いこっちゃ おばーちゃんじょうずやでと作り始めて
もちろん昔とった杵柄なんて持ち出すまでもなく
子どもでもできる簡単な工作 ところが
できない いつまで経っても完成どころか一段目も作れない
ついに あかんでけへん と投げ出した
良かれと思ったことが裏目に出た
当たり前にできてたことができなくなる・・・
可笑しくてやっぱり悲しくて そうか
これが老いるということか これも
認知の症状のひとつかと納得もした
さて お盆だものお墓参り
それぞれに仕事の都合 長男一家が帰っていって
そこへタイミング良く次男夫婦 さらには絶好の
小雨模様 妻の実家と我が家とお墓参りツアー敢行
親から子へ そしてその子どもらへ
伝えたいもの教えたいもの継いで欲しいもの
かつて 私の親がそうだったように
妻の実家の両親がそうであるように
はたして
私たちは
親に恥じない親になれているのか
正しくじじばばになれているのか
お手本に真似ながら 時にふたりで拓きながら
どうにかこうにかなんとかここまで
親父に御父さんにご先祖様にどうなのか
恥ずかしくないかまさか恥じてはいないか
お線香をあげて手を合わせて
心密か ドキドキと自問する夏です
と まあ なんやかんやのうちに豆台風一過



孫から元気をもらうだなんてそれはまだ
こちらが少しは若く余力があった頃のこと 今はもう
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